✩⃛酵母のはなし

さて、今日は酵母の話。
店を開けられないし、昨日決意した体力づくりもこの風邪が治ってからじゃないと始められないから、ちょいとここでpsipsinaの酵母への想いを…w
 
psipsinaでは、すべてのパンを店で起こした自家製天然酵母だけを使って長時間低温熟成で焼いてます。
 
酵母は生きています。
酵母って本当にデリケート。
その日によって元気だったり、ちょっとテンション低めだったり…
お世話の時間がほんの数時間遅いだけで凹んでしまったりする…
わたしにとってペットのような、家族のような存在の酵母ちゃん。
毎日頑張って美味しいパンを作るお手伝いをしてくれる酵母ちゃん。
そんな酵母ちゃんたちを、もっともっと心を込めて可愛がってあげてもいいと思うんです。
だって生きてるんだから…!
 
わたしは、苗字じゃなくて名前を覚えてもらったり、名前で呼んでもらったりするとちょっと嬉しくなる。
それも名前に「ちゃん」をつけて呼んでもらえるとさらに嬉しい。
なぜなら、大人になってから知り合う友人に「ちゃん」で呼んでもらえることって少ないから。
たとえ年下の人からも「さん」と呼ばれることに、未だにちょっぴり違和感や距離を感じるのはわたしだけ?
「ちゃん」には、子供の頃の友人に感じたような優しい親密さがある気がします。
子供の時は年上の人のことも親しいと「ちゃん」で呼んだよね?
「ちゃん」には、一気に親しくなれる魔法のように、わたしには思えるのです。
もちろん「ちゃん」で呼ぶことに抵抗がある人もいることもわかってはいるからもちろん強制なんかできないけど…
ただわたしが、大人になりきれてないだけなのかなぁ?
あ、今わたしを「さん」で呼んでる人はそのままでいいからねw
 
なにが言いたいのかってゆーと
つまり、わたしは今まで酵母を酵母ちゃんと呼んでいたけれど、酵母ちゃんでは、やっぱり寂しいから、改めて名前をつけてあげることにしたってこと。
やっぱり呼び名って大事‼︎
 
わたしは、もともと何かに名前をつけることが大好きで、本当は大好きな猫が飼いたいけど、今は訳あって飼えないから、酵母を猫みたいに名前をつけて可愛がって育てようと思って、ワクワクしながらどんな名前にしようかなぁと考えて、やっぱりpsipsinaの名前の由来になったムーミンの作者トーベ・ヤンソンさん繋がりで、ムーミンの登場人物から拝借させていただくことにしました。
 
Ninni
ニンニ。
 
ムーミンを読んだ方はピンと来ると思うんだけど、ニンニは姿の見えない女の子です。
同居している叔母さんの嫌味や皮肉で傷ついて、姿が見えなくなって、自分の存在を鈴の音だけで知らせるようになってしまったの。
姿が見えなくなったニンニは、叔母さんに捨てられて、ムーミンのおうちで暮らすことになります。
ニンニは誰にも見えないけれど、ムーミンママに愛情込めて接してもらっているうちに、ニンニはムーミンママとの間に信頼関係を築けるようになります。
そして、ニンニはだんだん元気を取り戻して…
ついに、その姿を現したとき、ムーミン谷のみんなが見たニンニは、とっても元気な笑顔いっぱいの、なかなかに気の強い女の子だったのでした。
 
そんなニンニ…
わたしには酵母菌に似てるように思えたんです。
姿が見えなくて、すぐに元気をなくしてしまう酵母菌たち…
だから、うちの酵母ちゃんたちを、わたしはニンニちゃんと呼ぶことにしました。
 
ちゃんと毎日、丁寧に扱ってあげないと、すぐ弱ってしまう繊細なうちのニンニちゃんたち。
彼らをムーミンに出てくるニンニのように、明るくて強い子に育てて、元気にパンを膨らませてくれるように、ムーミンママのように愛を込めて育てたい、という希望を込めて…
 
そうして、psipsinaの、大切に育てられたニンニちゃんが時間をかけてじっくり美味しく熟成してくれたパンで、お客さまに幸せを届けられますように…(●˘◡˘●)